日本医療マネジメント学会第26回熊本支部学術集会を担当いたします、熊本労災病院(以下当院)院長の猪股と申します。伝統ある本学術集会をお引き受けいたしますこと、大変光栄に存じ、また身の引き締まる思いでございます。この学会は、クリティカルパスの学びから医療の質全般の向上をめざして始まり、医療安全や連携など、医療実践のあらゆる面を捉えて、多様な医療機関から多職種が会して討議や情報共有を行う、極めて臨床的な意義が大きいものであります。
このたび、2024年3月16日(土曜日)に、第26回学術集会を開催させていただきます。会場は、くまもと県民交流館パレアを予定しております。2020年から始まったコロナ2019のパンデミックにより、本学術集会も、第22回(くまもと森都総合病院)は誌上開催、第23回(阿蘇医療センター)、24回(熊本赤十字病院)は完全web開催となりました。昨年の第25回は熊本市民病院が開催され、対面開催を予定されましたが、これも昨年末の感染蔓延を考慮されてwebとならざるを得ませんでした。この感染症は2023年5月にはついに2類から5類へ移行し、なお決して感染が完全に収束したわけではありませんが、当学術集会は多職種で率直に議論するところが大きな特徴であり、是非対面で開催したいと考えております。
今回のテーマは、「治療も生活も! 社会全体で担うケアを考える」、というものにさせていただきました。当院は急性期病院ですが、進む高齢化も背景に、多様な疾患に対して当院のような医療機関のみで対処できるものではなく、患者様やご家族の生活も考慮した社会全体でケアを担う仕組みが提唱されてすでに久しいと存じます。しかし、その実現にはなお多くの課題があります。これまでの会でも多く取り上げられてきた、真に患者さんやご家族に寄り添った入退院支援を含む地域連携、生活のための就労と治療の両立を目指した支援、施設や在宅でのケアを取り巻く多くの課題、そのような問題をあらためて広く議論し情報共有して、明日の医療に活かしていただく、そのような機会になればと存じます。
これまでの対面学会のごとく、テーマに沿った御講演やシンポジウム、ランチョンセミナーに加えて、多職種による広い範囲での一般演題を募りまして活発な意見交換の場としたいと願っております。是非、多くの皆様からの演題御応募、また御参加をいただき、会を盛り上げていただきますよう、よろしくお願い申しあげます。パレアでお会いできますことを、当院職員一同、心よりお待ち申しあげております。
日本医療マネジメント学会第26回熊本支部学術集会
学術集会会長 猪股 裕紀洋
熊本労災病院 院長